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今シーズンのサンマ漁終了 小さい魚体、不漁変わらず 関係者苦悩

小型の魚体が目立った今年のサンマ漁=9月28日、女川魚市場

 今シーズンのサンマ漁が12日までに終了した。全国有数の水揚げを誇る女川町の女川魚市場も7日が最後の水揚げだった。温暖化などによる影響で、歴史的不漁に見舞われた昨年を数量、金額ともに上回ったものの、関係者は「状況が悪いことに変わりはない」と頭を悩ませている。

 今季の女川魚市場へのサンマの初水揚げは9月28日。長崎県雲仙市の第3太喜丸(199トン)が北海道東沖約1000キロの公海で漁獲した33トンで、前年初水揚げ時の18トンを上回り、上々のスタートを切った。

 その後も北海道沖での漁獲を中心に水揚げが続き、11月末までに41隻が入港。約1300トン(前年同期比約60トン増)が揚がったが、全国3位になった2020年の5060トンには遠く及ばなかった。金額は約8億8000万円(前年同期比約8000万円増)だった。

 魚市場によると、魚体は120グラムの中型が入る時もあるが、80~100グラムの小型が目立ったという。木村仁取締役部長は「目に見えて小さく、漁獲できても数がないので価格は高騰する。数年前から変化はなく、漁や加工品の扱いを辞めてしまう人もいるのではないか」と危惧する。

 不漁で石巻地方の水産加工会社も苦悩する。石巻市の企業では「加工向きの魚体が安定して手に入らず小、中サイズを混ぜなければならない」と話す。

 今年は秋の一大イベント「おながわ秋刀魚(さんま)収獲祭」を「おながわ秋の収獲祭2022」として開く対応も取られた。魚市場の丹野秀之専務は「町を代表する魚なので、以前のような水揚げとなり、市場が活気づいてほしい」と願う。