新たな先生像学ぶ 石巻専修大・教師力向上セミナー 共同研究に磨きを
石巻専修大の教師力向上セミナー第7回「いしのまき教師塾」が9日、同大であった。秋田大名誉教授、東京未来大特任教授の阿部昇氏(68)が「これからの学校の先生に求められること」の演題で講演した。
阿部氏は新学習指導要領について「学力のシフトチェンジが始まっている。特に自ら思考し、判断する力を重視している。文章を批判的に読むことは従来なかった点だ」と指摘した。
新学習指導要領は主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を求めている。阿部氏は「その一つの典型が秋田県の『探究型授業』。全国学力テストで上位の要因となっている」と述べた。
探究型授業について「学習課題の設定後、必ず一人一人に考える時間を与え、主体的に学ばせる。教師は机間指導で助言し、(解決への)切り口が見えたらグループで学び合う。話し合いが煮詰まったら学級全体での学び合いに展開させる」などと説明した。
阿部氏は「指導力向上の鍵は授業の共同研究。研究会当日を迎える前の事前研究が甘いと成果は生まれない。チームで授業を創る。互いを気遣い、褒め合うだけの検討会ならやらない方がいい。改善点、課題を指摘し合えるからこそ、専門職の集団」と強調。
「共同研究の質が(授業づくりの)分岐点となる。対話型、探究型に対応できるよう共同研究を磨いてほしい」と語った。
本年度のセミナーは今回が最終回。石巻地方の小中学校の若手教員や教職希望の石巻専修大の学生ら約60人が受講した。