小学生の英検5級受験後押し 東松島市教委、検定料を全額補助 学習会も
小学校の英語教育に力を入れている東松島市教委は本年度、市内の小学生を対象に英検5級の受験を支援する事業に着手した。子どもたちの挑戦を後押しするため検定料を全額補助し、本番に備えた学習会を開催して合格をサポートする。来年2月に市内で実施される検定試験を受ける小学生全員の合格を目指す。
東松島市の小学校8校では3、4年生の外国語活動や5、6年生の英語の全ての時間にALTが入り、英語専科教員と共に授業をしている。市が文部科学省から教育課程特例校の指定を受け、本年度は矢本西小と赤井南小の2校で低学年の英語教育に取り組んでおり、来年度から全8校で実施する方針だ。
こうして中学まで途切れない英語教育を進めることは、児童が「異文化に触れ、言語能力が高まる」といった効果が期待できる。今回、英検5級へのチャレンジを促す事業は小学生から英語に親しみ、英語力アップにつなげる狙いがある。
市教委は、公益財団法人日本英語検定協会が実施する英検5級の試験(2月4日)の検定料2500円を全額補助することにし、市内の小学1~6年生を対象に9月26~30日に募集。73人が申し込み、辞退者もあって最終的に67人(うち低学年7人)が受験することになった。
事業は関心が高く、締め切り後も申し込みがあり、やむを得ず断ったという。
市教委は受験指南のため、本番までに5回の学習会を企画。講師は石巻市教委で指導主事の経験がある元同市飯野川中校長の山田晴彦さんが務め、既に10月と11月の学習会を終えている。12月は新型コロナウイルスの感染拡大で中止した。1月は2回実施する。
英検5級は中学1年生終了レベルの英語力が求められるという。市教委は検定料全額補助への好反応や、英語教育を推進する観点から来年度も事業を実施する予定。
市教委の担当者は「英検5級に挑戦することで、今の実力を確かめてほしい。英語好きの子どもを育成したい」と話した。
新型コロナ禍で対面での交流が制限される中、ネーティブの英語に触れようという活動もある。矢本東小の6年生は11月21日、ニュージーランドの高校生とオンラインで交流し、英語を学ぶ意欲を高めた。