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女川原発2号機・安全対策工事 東北電が進捗説明 来年11月終了予定

新設される緊急時対策所。最大で200人が作業できる

 東北電力は21日、女川原発2号機(女川町、石巻市)構内で実施している安全対策工事を報道各社に公開し、進捗(しんちょく)状況を説明した。大規模な原子力災害が発生した場合の現地対策本部となる「緊急時対策所」や非常用のガスタービン発電機などを初公開した。来年11月の安全対策工事終了を予定している。

 海抜29メートルの防潮堤工事の現場では、遮水壁に漁船や車両などが直接当たらないよう、鋼製の中空部材をすのこ状に並べた緩衝装置「漂流物防護工」の取り付けが進む。防護工と遮水壁を支える鋼管くいも合わせた3重構造で、揺れの強さが567.5ガルだった東日本大震災を超える1000ガルの地震にも対応できる。

 有事の指揮所機能の強化を目的とする「緊急時対策所」は鉄骨鉄筋コンクリート地上2階、地下2階で、延べ床面積は約4000平方メートル。最大200人が1週間にわたり、早期収束に向けた作業ができる。

 東京電力福島第1原発事故では津波による電源喪失で被害が広がったことを受け、非常用のガスタービン発電機2組を海抜60メートルの高台に新設する。1組3600キロワットで、固定した車両の荷台に搭載し、台風などの災害にも耐えられる。稼働に必要な軽油は、火災などの影響を受けにくい地下に7日分を確保し、2号機を安全に運用する。

 東北電は安全対策工事終了後、24年2月の女川2号機再稼働を目指している。女川原発の大平一樹所長代理(53)は「安全対策に終わりはない。これからもホームページなどで情報を公開し、地域の理解を得られるように取り組んでいく」と述べた。

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