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東北楽天、日本一から10年 田中将大インタビュー「自分らがやらないと、という気持ちしっかり持って臨む」

 プロ野球東北楽天が球団初のパ・リーグ制覇と日本一を遂げた2013年から今年で10年となる。開幕から無傷の24連勝を挙げ、日本一の立役者となった田中将大投手(34)に当時の記憶をたどってもらいながら、今季への思いを聞いた。
(聞き手は東京支社・中村紳哉、スポーツ部・斎藤雄一)

ふがいなさ感じていた

 ―13年2月11日、沖縄県久米島町で行われていた春季キャンプ恒例の朝の声出しで「今年の野球界の主役は俺たち楽天だ」と高らかに宣言した。

 「やっぱり『声に出して言おう』というのがあった。『自分たちでやるぞ』と。プレッシャーをかけると言ったら格好良いかもしれないけど、そういう意味で言った」

 ―東日本大震災の発生以降、チームは11年が5位、12年が4位と2年連続でBクラスに沈んでいた。

 「毎年、日本一になるチームは一つしかない。そのチーム以外は達成できず、毎年のように『日本一、リーグ優勝を目指して頑張ります』と言うのも正直、嫌な気持ちになる。ふがいなさも感じていた」

 「でも、やはり目標にしていたし、そこまでたどり着きたい思いが強かった。震災があってからチームとしていい成績を残せていなかったし『絶対に勝つ』という気持ちだった」

状態決して良くなかった

 ―13年は3月に行われた第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参加し、疲労が残ったまま開幕を迎えた。

 「状態は決して良くなかった。自分の中で本当に良い状態のところには全然足りてなく、だましだましやっている感じだった」

 ―5月22日にクリネックススタジアム宮城(Kスタ宮城)で行われたセ・パ交流戦の巨人戦では、このシーズン初の完投勝利を1失点で挙げている。

 「長野(久義)選手に先頭打者本塁打を浴びた。感覚的には、まだだった」

 ―投球内容に手応えをつかみ始めたのはいつ頃だったか。

 「交流戦でちょっとずつ、長いイニングを投げられるようになってきた感じはあった。何となく良かったのは7月16日のオリックス戦(京セラドーム大阪)。球の強さを含め、投球全体がボンッと上がったような記憶がある」

 ―オリックス戦の次に登板した7月26日のロッテ戦(Kスタ宮城)は、井口資仁選手に節目の日米通算2000安打を勝ち越しソロで飾られ、9回を投げ終えて1―2。九回裏に押し出し四球で追い付き、嶋基宏選手のサヨナラ打で勝利した。

 「最初(二回)は(鈴木)大地に本塁打を打たれた。(九回裏に)ランナーがたまっていた時、僕も延長に行くつもりでベンチ前に出てキャッチボールをしていたと思う。その試合は9回で90球くらいしか投げていない。だから『次のイニングも行くぞ』という気持ちで準備していた」

西武戦 あのリリーフはしびれた

 ―レギュラーシーズンでチームが挙げた82勝のうち、逆転勝ちは36試合でリーグ最多だった。

 「チームに良い流れというか、良い雰囲気はあった。結果がどんどん付いてきて、どんどん『行けるぞ』というようになった記憶がある」

 ―13年のターニングポイントとなった試合は。

 「5連敗で回ってきた8月23日のロッテ戦(Kスタ宮城)。『絶対俺が止めてやる』という気持ちでいたし、結果で応えることができた。8月が始まった時は(2位と)最大で7ゲーム差あったのが、試合前で2・5ゲーム差になっていた。詰められている意識はあったし、負けたら1・5ゲーム差になっていたので、すぱっと5連敗で切れたことはすごく印象に残っている」

 「もう一つはリーグ優勝を決…

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