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女川原発・1号機クレーン亀裂受け、立ち入り調査 県と2市町

女川原発1号機の原子炉建屋で天井クレーンの説明を受ける県職員ら

 東北電力が2024年の再稼働に向けて女川原発2号機(女川町、石巻市)構内で実施している安全対策工事の進捗(しんちょく)状況の確認と、廃炉作業中の1号機の原子炉建屋で天井クレーンの台座に亀裂が見つかり、定期検査の期間が約1年延長されたことなどを受け、県と女川町、石巻市は27日、東北電との原子力安全協定に基づく立ち入り調査を実施した。

 2号機構内では約60メートルの高台に設置した非常用ガスタービン発電機と海抜29メートルの防潮堤工事の現場を確認。1号機原子炉建屋では東北電社員が「亀裂が入ったクレーンの四つの台座を全て交換しないと検査ができない」と延長の理由を説明。廃炉スケジュールへの影響はないという。

 5月に原発の警備員が「臨時車両許可証」を無断発行し、勤務先の警備会社の関係車両延べ53台を入構させた事案については書面を見ながら経緯を確認。東北電は自社が管理する場所で保管するなどの再発防止策を取るとしている。

 県原子力安全対策課の横田浩志課長は「原発に関する工事や出来事は県民の関心事だ。再発防止に努め、適切な管理、運営に当たり、信頼を失わないようにしてほしい」と求めた。

 女川原発の阿部正信所長は「安全対策と社員間、関連会社との連携を強化し、一人一人が責任感を持って作業していく」と述べた。

 調査は本年度2回目。原発30キロ圏内の東松島市、登米市、涌谷町、美里町、南三陸町の職員も参加した。

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