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魚市場水揚げ、金額前年超え ギンザケ需要が下支え 石巻、女川

今年最後の水揚げで大型のサバが多く揚がった石巻魚市場=28日午前7時ごろ

 石巻、女川両魚市場は28日、今年の業務を終了した。ロシアのウクライナ侵攻で、輸入水産物に大きな影響が出たことや、サンマなどの不漁があった半面、石巻、女川両市場とも養殖ギンザケの需要が増加。金額の下支えに貢献した。

石巻 5000トン、22億円増

 石巻魚市場は水揚げ量が前年比5.1%増の10万3425トン、金額は14.1%増の184億5314万円だった。水揚げ量は約5000トン、金額は22億9200万円増えた。

 今年は主力魚種の一つであるサバ(42億円)を抑え、養殖ギンザケ(48億円)が最も売れた。ブランド魚「金華さば」のシーズン到来が今月2日で、記録が残る2013年以降、最も遅かったことや国内でギンザケの人気が高まっていることなどが理由ではないかという。

 春の訪れを告げるコウナゴは34トン、秋サケも32トンと低調に終わった反面、南方系のタチウオが300トン揚がり、石巻でもなじみのある魚になってきた。

 佐々木茂樹社長は「サバは業務最終日に大型が主体になった。年明けはさらに期待できる」と話し、「来年は水揚げ数量11万トン、金額は190億円を目標にしたい」と抱負を述べた。

女川 11億円増、1万7000トン減

 女川魚市場は数量が前年比36.6%減の2万9592トン、金額は16.8%増の75億4428万円。数量は約1万7000トンのマイナス、金額は約11億円増えた。養殖ギンザケが売り上げの半数を占めており、石巻と同様、安定した生産が見込めることへの期待値が高まった。

 全国有数の水揚げを誇るサンマは約1300トン(前年同期比約60トン増)が揚がり、金額は約8億8000万円(前年同期比約8000万円増)という結果。昨年より増えたが、イワシなど他の魚種の不漁も響いた。

 丹野秀之専務は「サンマは4年ほど数字が伸びず、先が読めない状況が続く。資源が回復する環境になることを願うばかりだ」と話す。養殖ギンザケについては「46億円の売り上げは過去最も多いはず。サンマと二本柱として期待していきたい」と語った。

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