跳ねる 石巻地方から(1)プロ野球選手として飛躍誓う 宮内春輝さん
2023年は卯(う)年。干支(えと)のウサギにちなみ、石巻地方のさまざまな分野で活躍し、新たな世界や次のステージへと飛び出す人を紹介する。
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日本ハムファイターズ・宮内春輝さん(26)
<開幕1軍目指して闘志>
プロ野球選手として歩み始める。2022年10月、日本ハムからドラフト6位指名された。開幕1軍を目標に掲げ、新天地での飛躍を誓う。「試合の流れを変え、勢いづけられるような投球を目指す」。思い描く姿は明確だ。
176センチ、75キロ。最速152キロの力強い直球が持ち味の右横手投げ。明星大在学中から社会人野球でのプレーを望み、19年に日本製紙石巻に入社した。
社会人野球で最も印象に残っているのは、初登板した19年のJABA日立大会だという。日本製鉄鹿島と対戦し、4-7で迎えた9回表にマウンドに立った。走者を背負いながらも無失点に抑え、味方の満塁本塁打でサヨナラ勝ちした。
「自分のできることをやろうと、がむしゃらに投げた。チームの勝利に安心し、ここから頑張っていくんだ、スタートできたんだと実感した」と振り返る。
東京ドームでの都市対抗大会には19年に七十七銀行の補強選手で参加。20年には日本製紙石巻として出場し、いずれも1試合に登板した。「悔しさが残った1、2年目だった。気持ちが入りすぎ、周囲に気を配れていなかった。力を入れすぎないよう、感覚をつかみ始めた」と話す。
昨年の夏からウエートトレーニングの負荷を上げたことがきっかけで調子が上向き、球速も上がったという。21年の都市対抗二次予選で、きらやか銀行(山形市)戦に登板した頃から、自身の調子の良さ、手応えを感じ始めた。
「自分の練習メニューを信じて続けてきた。トレーニングでもマウンドでも、いい意味でマイペースを崩さないようにしている」。プロ入り後も自分らしさを貫く構えだ。
昨年11月26日、札幌市内で日本ハムの新入団選手発表に臨み、新たなユニホームに袖を通した。「まだ自分の姿には見慣れないが、プロとしての実感は強く湧いた」と語る。
いずれはチームの守護神を担うことが目標だ。「チームやファンから、登板すると安心してもらえるような投手になりたい」と力を込めた。
(藤本久子)