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震災遺構「旧大川小校舎」、劣化対策へ 石巻市長定例会見

 石巻市の斎藤正美市長は11日の定例記者会見で、東日本大震災の津波で児童・教職員計84人が犠牲になり、震災遺構として公開している旧大川小の校舎について、風雨などによる劣化対策を講じる考えを示した。

 市は被災した姿をそのまま残す方針だが、床や壁は雨漏りなどで傷みが進む。昨年12月に遺族の要請を受け旧校舎内を初めて視察した斎藤市長は「当時のまま保存することが基本だが、劣化を防ぐことは必要。遺族や関係者の意見を聞きながら取り組む」と述べた。

 市は震災12年目の追悼式を3月11日、昨年と同様に石巻南浜津波復興祈念公園で開くと発表した。震災10年を区切りに式典を取りやめた自治体も多いが、斎藤市長は「最大の被災地で最大の犠牲者も出している。忘れることなく前に進む決意を示す意味で追悼式は必要だ」と語った。

 年頭の抱負では、同市中央2丁目の北上川沿いに3月に完成する「かわまち交流広場(仮称)」や、石巻川開き祭りが節目の100回目を迎えることなどに触れ「交流人口の拡大を図るほか、最大の課題の人口減少対策にも鋭意取り組む」と話した。

<女川原発で車両事故、作業員死亡>

 女川原発では昨年1月15日にも協力会社の従業員が工事車両と接触し、重傷を負う事故があった。斎藤市長は11日の定例記者会見で「昨年も事故が発生しており、看過できない事象。東北電力に対し二度と繰り返さないよう求めた」と述べた。

 東北電は「今後このような事故を発生させないよう、再発防止に努めていく」とコメントを出した。

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