仙台市役所本庁舎、「完全形」はあと数カ月限り 今年から建て替えに着手<+W 共に生きる>
仙台市青葉区の中心部に立つ市役所本庁舎が、老朽化を主な理由に2030年度までにすっかり建て替えられる。長い工事期間の目に見える最初の一歩として、今年は議会棟などの解体が始まる。昭和、平成、令和にまたがり60年近く親しまれた杜の都のランドマークが、完全形で眺められるのはあと数カ月限り。消えゆく風景の記憶を目と心に焼き付けておきたい。(生活文化部・阿曽恵)
塔屋に展望室
現庁舎の完成は1965年、高度経済成長期の真っただ中だった。「仙台もずいぶん都会になったなと驚きました」。その頃に市役所に就職した泉区の奥山利雄さん(80)が振り返る。塔屋部には展望室があり「制服姿のエレベーターガールが案内していました」。同じく市職員だった妻の睦子さん(80)は、訪れた市民に「げたのまま上がっていいのすか?」と尋ねられたという。確かに玄関ホールは一部に大理石が用いられ、ちょっぴり豪勢だ。
地上8階、地下2階。…
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