30日に夏のボーナス 宮城県と仙台市の30年調べてみた

 宮城県庁や仙台市役所などの官公庁で30日、夏のボーナスが支給されます。支給額は民間企業の水準と連動するため、国内の景気動向を反映しています。県と市の一般職の平均額について、過去30年分を調べてみました。(編集局コンテンツセンター・佐藤理史)

宮城県・仙台市の夏冬のボーナス支給額の推移
動くグラフでは年ごとの支給額も見られます

 1992年6月30日の河北新報・夕刊はボーナス支給の様子をこう伝えた。

半数以上が現金受け取り

 民間企業では既に支給された所も多く、ボーナスシーズンはいよいよ本番。百貨店や商店街の商戦、金融機関の預金獲得競争も一段とし烈さを加えている。

 ボーナスの支給方式は、銀行振り込みが主流だが、キャッシュの〝重み〟を実感する魅力も捨て難い。仙台市役所も、一部現金支給も含めて全職員の59%が現金で受け取った。

 会計課で袋詰め作業が行われた後、午前9時過ぎから課ごとに1人ひとりに手渡された。初めてボーナスをもらう青葉区役所市民課の2人の女性新入職員(19)は「自動車学校の入学金に充てます」「洋服も買いたいし、貯金もしたい」とにっこり。

ボーナスの現金を袋詰めする職員=1992年6月、仙台市役所会計課

 現在は現金支給を選ぶ職員は県知事部局ではおらず、市長部局に2人いるだけだという。

 支給額は90年代、おおむね右肩上がりだった。99年冬の県は103万円に上った。2000年のITバブル崩壊などをきっかけに下降したが、00年代中盤に持ち直した。

 その後は08年のリーマンショックの余波、11年の東日本大震災の影響で再び低迷。10年代後半、緩やかに回復が進んでいたところに、20年以降は新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速が影を落とす。

支給額、市が県を上回る

 県と市の支給額を比べると、県が一部の年を除いて上回る状態が長く続いてきたが、2017年以降は逆転している。夏と冬の支給額を見ると、基本的には冬の方が多く、減少局面では夏が上回ることがある。

 県職員の平均年齢はこの30年で、37歳11カ月から43歳10カ月へ、約6歳上がった。

 官公庁のボーナスは期末手当と勤勉手当からなり、6月30日と12月10日に支給される。今夏は県市ともに、勤務期間に応じた期末手当が1・20カ月分、勤務状況に応じた勤勉手当が0・95カ月分支給される。合わせて、諸手当を含む月給の2・15カ月分となる。

 憲法は労働三権(団結権、団体交渉権、争議権)を保障する。民間企業では、ボーナス(賞与・一時金)の支給額などを巡り、労使交渉も行われる。

 一方、公務員にはストライキできる争議権が認められないなどの制約がある。国民生活に支障が出ないようにするためだ。代わりに給与などの労働条件は法令や規則で定められている。

 国には人事院が、規模が大きい地方自治体には人事委員会がそれぞれ設置され、中立的な立場で公務員の人事管理を担う。人事院は例年8月、人事委員会は10月、月給やボーナス額などで必要な見直しを求めて「勧告」する。

 勧告は、公務員と民間企業の給与をそれぞれ調査、比較してバランスを取る。宮城県人事委の場合、従業員数50人以上の県内938事業所から254事業所を抽出して調査する。

 このため、公務員のボーナスも景気動向に左右される。ただ、調査から制度反映まで1年程度のずれが生じる場合もある。

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