昭和の活気よみがえる CD・DVD「懐かしのせんだいCM大百科」に石巻4店登場
懐かしい宮城のローカルCMを集めたCDとDVD「決定版 懐かしのせんだいCM大百科」が、昨年12月に発売された。市民有志でつくる「せんだいCM特捜隊」が、2007年に出したCD版の続編として制作。前回収録できなかった曲のほか新たに映像作品を加え、15年かけて完成させた。CDには向山靴店や星薬局など石巻市の4店のCMも登場する。
昭和30年代後半~50年代前半のテレビやラジオCMなどを集めた。CDは再録を含め42曲、DVDには22社の64作品を収録。「エンドーチェーン」や「ボンボン会館」などが登場する。制作秘話や収録曲の歌詞などをまとめた冊子もセットになっている。
石巻市アイトピア通りの向山靴店と星薬局のCMは店の特徴などが1分ほどにまとめられ、歌詞には通りのかつての通称「大町銀座」も登場する。今は姿を消した篠田時計店、杜月寿司(ずし)のCMもある。いずれも放送局の企画で制作したとみられ、ラジオなどで流れたかどうかは不明という。
向山靴店の正岡賢司社長(74)はCMについて「全く記憶にない」と驚く。先代で、亡くなった父の武雄さんからも話を聞いたことはなかった。街が活気にあふれていた頃のCMに触れ「先達からのエールのようだ」と目を細めた。
収録された音源や映像は在仙放送局の倉庫に眠っていたテープ類を調べたり、広告代理店の元担当者が個人的に保管していた素材を借り受けたりした。劣化したテープを修復し、「八木山ベニーランドの歌」など4曲は改めてレコーディングした。権利関係の処理でも苦労を重ねた。
せんだいCM特捜隊代表の森本淳子さん(57)=仙台市青葉区=は「集大成といえる作品に仕上がった。当時の生活がうかがえる、貴重な歴史的財産。ぜひ多くの人に見て聞いてほしい」と話す。
販売は3500部限定で、4800円。市内では金港堂やヤマト屋書店などで扱っている。