女川・出島架橋、組み立て開始 全長364メートル 来年12月の開通目指す
女川町の離島・出島と本土を結ぶ出島架橋の組み立て工事が22日、女川港石浜地区で始まった。全長364メートルのアーチ橋で、11月には組み立てた橋を海上輸送して架け、町道女川出島線と接続する。2024年12月の開通を目指す。
初日は、津市の工場で製造された橋桁の一部(長さ110メートル)を載せた大型台船が同港に接岸した。部材は2月まで計4回に分けて運ばれ、到着したものから陸上で組み立てる計画で、10月までに作業を終える。
出島は町本土から東に約300メートル離れ、女川港から離島航路を使うと最短20分で着く。人口は約90人で主要産業の漁業は町の漁獲量の4分の1を占める。
橋が開通することで、町の中心部から車で15分ほどで島に渡れるようになり、利便性の向上や観光振興などが期待される。
また、東北電力女川原発(女川町、石巻市)の重大事故時の避難道路としての役割も担う。須田善明町長は「橋は長年の悲願。出島の生活環境や防災面の改善など、果たす意味はすごく大きい。工事が安全に進むことを祈る」と話した。
出島架橋の総事業費は約167億円で、3分の2に国の交付金を充てる。総事業費のうち架橋整備費は約86億円。町が事業主体で17年に着工、架橋工事は県に委託している。