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核燃料税「交付拡大を」 女川原発30キロ圏の5市町、県に要望方針

要望書を提出する方針を決めた首長会議

 東北電力女川原発(女川町、石巻市)に関する核燃料税交付金を巡り、原発から5~30キロ圏の緊急防護措置区域(UPZ)に入る5市町で構成する「UPZ関係自治体首長会議」が2日、登米市で開かれ、県に交付対象の拡大を求める要望書を提出する方針を決めた。立地2市町が対象の交付金を、女川原発の重大事故に備えた避難訓練などで負担が増す周辺自治体にも配分するよう求める。

 会議は冒頭を除いて非公開で行われた。代表幹事を務める熊谷盛広登米市長によると、東松島、登米の2市と涌谷、美里、南三陸の3町の首長全員が要望書提出に賛成した。熊谷市長は「避難訓練の準備や経費などUPZの自治体も負担はある。新年度に5人そろって提出したい」と話した。

 同様の要望書は昨年12月、人口の約92%がUPZに住む東松島市が県に提出した。東日本大震災以降、各市町は避難計画の策定や避難訓練などで職員の人件費など財政負担が増しているとして、立地自治体に加えてUPZの自治体にも交付を求める。東松島市の渥美巌市長は「(原発を抱える)他の道県で周辺自治体に交付している所もある。地域振興策としても配分されるべきだ」と訴える。

 交付金は原発を抱える道県が事業者に課す税の収入を立地自治体などに配分する。県は東北電から年間約1億8000万円を徴収し、女川町と石巻市に1800万円ずつ交付している。次期課税期間(2023年6月~28年6月)に現行の15%相当から17%相当に引き上げる方針で、増収分は原発周辺の道路整備などに活用する考え。

 全国原子力発電所所在市町村協議会によると、原発が立地する全国13道県のうち12道県が事業者に課税し、8道県は立地自治体と周辺自治体に交付金を配分している。

 会議では、4月に代表幹事を渥美市長に交代することも決めた。

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