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<Eかお>宮城・栗原 文字苔っこの会会長・高橋誠さん(73) コケで地域活性化に挑む

 少子高齢化が進む栗原市栗駒文字地区で新たな産業を興そうと、2020年にコケの生産団体「文字苔(こけ)っこの会」を設立した。地区の観光拠点施設「愛藍人(あいらんど)・文字」の敷地などで6種類のコケを栽培する。

 本年度は山村活性化を目的とした国の交付金を活用できる最終年度。「造園や都市部の屋上緑化を手がける会社への販売ルートを確立したい」と意気込む。

 きっかけは県北部地方振興事務所栗原地域事務所にいた職員からの提案だった。「コケってお金になるらしいよ」。普段は見向きもしなかったコケだが、手探りで栽培を始めた。

 冬期間の生育管理は今も苦労するが、仙台市で開催中の全国都市緑化仙台フェアで使用されるなど少しずつ認知度が高まっている。

 若い頃は栗駒文字地区の村おこし団体の事務局を引き受け、24時間ぶっ通しのソフトボール大会や藍の植栽活動などで地域の活性化を図った。コケに託す願いも同じだ。「文字地区はほぼ限界集落。コケを起爆剤に人を呼び込みたい」

 たかはし・まこと 岩ケ崎高卒。旧栗駒町と栗原市で土木系の技術職として勤務した後、2011年3月に定年退職。20年5月から現職。栗原市出身。

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