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難病乗り越えた小3男児、恩返しのレモネード 「小児がんの子の助けになれたらうれしい」

レモネードスタンドのチラシを手にする健介君とゆう子さん

 血液の難病「再生不良性貧血」を乗り越えた仙台市太白区の小学3年鈴木健介君(8)と母ゆう子さん(37)が、小児がんの子どもを支援する「レモネードスタンド」の活動に取り組んでいる。輸血と骨髄移植に救われたことに感謝し、献血や骨髄バンクへのドナー登録を呼びかける。

仙台で10、11日に支援販売活動

 鈴木さん親子は小児がんの子と家族の支援団体「ひまわりスマイルプロジェクト」(富谷市)のメンバー。全国の支援団体が11日にレモネードスタンドを一斉実施するのに合わせ、プロジェクトも10、11日に仙台市内でレモネードを販売する。売り上げは小児がん治療の研究団体に寄付する。

 健介君は小学校入学目前の2021年1月、血小板や赤血球などの血液成分が減る再生不良性貧血を発症。楽しみだった学校には通えず、院内学級で学びながら度々輸血を受けた。

 新型コロナウイルス禍で献血する人が減り、「本当に不安だった」とゆう子さん。宮城県内だけでなく東北各県から届く輸血が小さな命をつないだ。

 健介君は献血する人に感謝を表そうと、厚生労働省の献血推進キャラクター「けんけつちゃん」のイラストを描き、河北新報こども新聞「週刊かほピョンプレス」に投稿。感謝のメッセージと共に掲載されると、多くの人から「献血に行く」と励まされたという。

 幸運にもドナーが現れ、健介君は21年10月に骨髄移植を受けた。副作用に苦しみながらも徐々に回復し、翌年1月に退院。今では元気に学校に通う。

 親子は今年3月、プロジェクトに加わった。ゆう子さんは「院内学級には今も治療を頑張っている子がいるし、残念ながら亡くなった子もいる。今度は自分たちが何かできないか、と健介にレモネードスタンドの話をしたら『やる』と言ってくれた」と振り返る。

 何度か参加し、健介君は「営業部長」として声がけや商品のPRを担当。「小児がんの子の助けになれたらうれしいし、やっていたら楽しくなった」と笑う。

 ゆう子さんは「健介が病気になって初めて、献血や骨髄バンク登録の大切さが分かった。誰かを助けられる命のボランティアがあることを多くの人に伝え、献血やドナー登録に協力してもらいたい」と願う。

 レモネードスタンドは10日が青葉区のぶらんどーむ一番町商店街で午前11時~午後5時、11日は太白区のJR長町駅西口広場公園で午前10時~午後2時に開かれる。

闘病していた頃の健介君=2021年7月

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