レトロな街並み、写真絵はがきでたどる 宮城・石巻のNPOが冊子発売
NPO法人石巻アーカイブ(宮城県石巻市)が明治から昭和の石巻市の様子が紹介された写真絵はがきを1冊にまとめた「明治・大正・昭和 石巻の繪葉書(えはがき)」を発刊した。写真が撮影されたとみられる年代や場所の解説もあり、街と暮らしの近代化の歴史をたどれる。
大正期の運動会や昭和初期の市街地の全景も
石巻アーカイブは東日本大震災を機に古い写真や地図のデジタル化に取り組んでいる。収集した約600枚から約240枚を選び冊子に編集した。
写真絵はがきは日露戦争(1904~05年)を契機にブームが起きたという。ページをめくると、名所のほか、当時の街並みや学校の行事、モダンな建物の写真が並ぶ。
中でも、大正初期に撮影された「合同運動会」は貴重な1枚。仮装行列の集合写真に日本髪の女学生と武者姿の男児が一緒に納まる。石巻尋常小(現石巻小)と石巻商業補習学校(石巻商高)、石巻実科高等女学校(石巻好文館高)が5年ほど同じ敷地内にあった歴史を物語る。
昭和9(1934)年以降の撮影と推定される4枚組みの写真は、北上川沿いに栄えた市街地の全景を捉えた。中瀬に造船所や製材所が密集し、中心部は旅館や商店が林立している。震災で被災し、架け替えられた内海橋の往時の様子も分かる。
昭和30年代の「石巻市街夜景」は大町通り(現アイトピア通り)を写し、商店街をにぎやかに照らした多彩なネオンサインが目を引く。モノクロを着色してカラーに仕立てた。
石巻アーカイブの小野寺豊代表理事(63)は「写真絵はがきは失われた光景を今に伝えている。古い街並みや建物を大切にする機運が生まれるといい」と話す。
A4判60ページ。1冊1800円。石巻市内の書店や仙台市のヤマト屋書店で販売している。連絡先は小野寺さん090(3753)5295。
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