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<スケッチみやぎ>厄災払う猛火の秘法 涌谷・箟峯寺の「火渡り」

木札を扇形に広げ、祈りを込めて火に投じる行者

 涌谷町の箟岳山箟峯寺(こんぽうじ)は8日、厄災を火で払う密教の秘法「採燈大護摩供(さいとうおおごまく)」を行った。

 山中の石仏広場で行者姿の住職らが不動明王を祭り、組み上げた高さ約4メートルの大護摩に点火した。「南無帰命頂礼(なむきみょうちょうらい)、懺愧懺悔(さんぎさんげ)…」。錫杖(しゃくじょう)を手に礼拝文を繰り返しながら、願い事を記した約4000枚の木札を猛火に投じ、成就を祈った。

 約2時間後、火が弱まると灰を押し分けて道をつくり、行者に続いて約1000人の一般参加者が火渡りを体験。家族4人で来た美里町の建設業安田一彦さん(60)は「足の裏が熱いが、無病息災とウクライナの平和を願った」と話した。

 東北最大規模の秘法は円仁が寺を中興した平安時代の849(嘉祥2)年に始まったとされる。一時廃れたが、1993年に復活した。
(小牛田支局・横山浩之)

入り口と出口を塩で清めた道をはだしで渡り、記念のお守りを受け取る参加者
箟岳山周辺の居久根から集めたヒバの枝をまきの上に敷く。色が良い枝は外側に飾る

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