災害時の知恵増やそう 宮城・大郷中でむすび塾 豪雨の被災体験や教訓出し合う
河北新報社は11日、通算112回目の防災ワークショップ「むすび塾」を宮城県大郷町の大郷中で開いた。生徒は2019年10月の台風19号豪雨などの被災体験や教訓を出し合い、災害時の判断を疑似体験する防災ゲーム「クロスロード」にも挑戦。専門家と意見を交わし、自分たちにできる備えを考えた。
生徒会役員の2、3年生7人と、助言者として町消防団長の鈴木安則さん(65)、防災教育に取り組む市民団体「わしん倶楽部」(仙台市)代表で防災士の田中勢子さん(70)が参加した。
同町は台風19号豪雨で吉田川が決壊し大きな被害を受けた。生徒の1人は「避難所に避難したが、家の後ろの山が崩れたら帰る場所がなくなると思い、不安だった」と打ち明けた。豪雨被害を機に「家族で避難場所を話し合った」という生徒もいた。
鈴木さんは町の被害状況や消防団活動について説明。「町で犠牲者が出なかったのは、住民の日頃の備えと早めの避難が役立った。皆さんにはまず避難して自分の命を守ってほしい」と呼びかけた。
防災ゲームでは「大雨で家には自分とペットだけ。避難所に避難する?」など、判断に迷う質問にイエスかノーで答え、各自が理由を説明した。指南役の田中さんは「他の人の意見にも学び、災害時に役立つ知恵の引き出しを増やしてほしい」と述べた。
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