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女子サッカー、中学でも続けて 仙台・聖ウルスラ学院がU-15チーム設立へ

 仙台市若林区の学校法人聖ウルスラ学院は来年4月、区内初の15歳以下女子サッカークラブチーム「ウルスラ リベルタード LFC(仮称)」を設立する。女子中学生が学校の部活動で男子と交ざってサッカーを続けることが難しいとの声を踏まえた。今年12月までは先行してサッカー教室を月1、2回開講し、設立に向けたPRに力を注ぐ。

サポート役の高校生と一緒に汗を流す参加者

週5日練習、20~30人受け入れ

 クラブチームは週5日、南小泉総合グラウンド(若林区)で練習する方向で検討している。市内の中学生を中心に、20~30人を受け入れる。サッカー経験は問わない。入会金や月謝、遠征費が必要になるという。

 通っている中学のサッカー部に所属していても参加可能。技術が上達すれば、同じ場所を使う聖ウルスラ学院英智高(若林区)の女子サッカー部と一緒に練習することも想定する。

 設立に先立ち、8月21日に同グラウンドで始まったサッカー教室には小学生が参加。初日は16人がドリブルやパスといったボールタッチ、5対5のゲーム方式の練習で汗を流した。

 若林区の南材木町小6年志村幸咲(みさき)さん(12)は「攻守の切り替えの早さを学べた。パスを受ける時は自分から声を出し、ボールをもらうことを意識したい」と笑顔で話した。

宮城県内では6チームだけ

 英智高女子サッカー部の生徒が練習をサポートする。3年大沼愛香さん(18)は「教える立場になると、自分自身の理解が不十分だったところが分かる。普段は得られない経験ができる」と手応えを口にする。

 チーム創設は、女子サッカーを続ける環境が整っていない状況を変える狙いもある。女子中学生が参加できるクラブチームは県内に6チームしかない。中学は男子と一緒の部活動が多く、体格差などを理由にサッカー自体をやめてしまう例もあるという。

 英智高の女子サッカー部監督で、クラブチームも指導する予定の安住建志教諭は「サッカーを続けられる環境を設け、魅力ある選手を育てる」と意気込む。

 伊藤宣子校長は「少子化で中学の部活動を取り巻く環境は厳しい。クラブチームをつくることで子どもたちができないことを減らしたい」と説明する。

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