ふるさとは遠きにありて思ふもの-。室生犀星(さいせい)が詩「小景異情」でうたった遠い故郷、それは実質的な距離より心情的な遠さを指しているのだろう。家族を残して宮城県から山形に単身赴任した身には共感できる。たとえ、高速道で1時間足らずの距離だとしても。
「50年前に山形に来た時は知り合いが誰もいなく…