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林芙美子の生涯、熱演 俳優・中村真季子さん一人芝居 石巻

一人芝居「ふみこ放浪」で観客をくぎ付けにした中村さん

 東京を拠点に活動する俳優中村真季子さんが5日、石巻市中央1丁目のシアターキネマティカで一人芝居「ふみこ放浪」を上演した。「放浪記」や「浮雲」で知られる作家林芙美子(1903~51年)の生涯を約70分に凝縮し演じきった。

 中村さんは戦前、戦中、戦後とさまざまな時代の「ふみこ」を着物姿と素足という格好で、せりふ回しも軽快に表現。時代の波に乗り、のみ込まれながらも作品を書き続けた「ふみこ」の半世紀近い放浪の人生を現代によみがえらせた。「ふみこ」以外にも多数の人物を演じ分け、エネルギッシュな舞台で観客を圧倒した。

 仙台市から足を運んだ俳優キサラカツユキさん(41)は「誠実に舞台と向き合う姿に、自分の一人芝居を問い直す機会になった」と話した。

 中村さんは「石巻は芝居が根付いている感じ。これからも関わっていけたら」と語った。

 中村さんは2018年、東日本大震災の被災地・岩手県大槌町に住み込み、町の人たちと芝居を制作した。その体験を基に立ち上げた企画が「中村真季子ひとり芝居 マキコのキ」。その土地で暮らす人々の中で演じてみたいと、19年から「ふみこ放浪」を日本各地で上演してきた。今年は林芙美子の生誕120周年。節目の年の公演を経て、中村さんの「放浪の旅」は続く。

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