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<大観音の傾き(4)>煙のなかに呑み込まれるように 山野辺太郎

 出張所の机に向かってパソコンの画面に目をやりながら、修司はけさがた寝床で聞いた気がする不思議な声のことを思い出そうとしていた。いったい何をしゃべっていたのだろう。頭のなかで再現してみようとしたけれど、温かでぼんやりとした声の感触があるばかりで、言葉として像を結ぶことがなかった。

 災害対応の備蓄品を…

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