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震災で亡くなった子どもたちへの思いを込めて 青いこいのぼり大空に悠々と

五月晴れの下、悠々と泳ぐ青いこいのぼりに触れて笑顔を見せる家族連れ

 「こどもの日」の5日、東日本大震災で被害を受けた宮城県東松島市内で、犠牲になった子どもたちを追悼する青いこいのぼり約1600匹が掲げられた。

 津波で家族4人を亡くした市職員伊藤健人さん(31)が、青いこいのぼりが好きだった末弟の律ちゃん=当時(5)=の冥福を祈るため、2011年から企画。昨年から地域住民でつくる実行委が主催する。

 同市大曲地区のイベント会場には、全国から寄せられた約500匹が風になびいた。2月に能登半島地震の被災地でボランティアに取り組んだ伊藤さんが現地の人々に託し、メッセージを書き込んでもらったこいのぼりも泳いだ。

 多くの親子連れが訪れ、駆け回る子どもを撮影したり、食事を楽しんだりした。和太鼓演奏もあり、力強い音色が会場内に響いた。仙台市青葉区の会社員前沢奈巳さん(37)は「震災を思い出すのはつらいが、このイベントでは子どもと楽しくこいのぼりを見ることができて笑顔になれた」と話した。

 伊藤さんは「100年先も地域に根付く祭りにしたい」と話した。

復興を祈りながら力強く演奏する和太鼓チーム

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