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仙台・秋保で土壁・土間造り体験 伝統建築の知恵を次代へ 自然素材活用し「結い」をイメージ

土壁作りを体験するワークショップの参加者。未就学児から70代までが参加した=仙台市太白区茂庭

 仙台市太白区秋保地区で、土壁や土間を造って伝統建築の作業を体験するワークショップ(WS)が行われている。現場は建築中のコーヒー店で、作業はかつて農村の家造りなどで住民が助け合った「結い」をイメージして行われている。大勢が携わることによって、自然素材を巧みに使う先人の知恵を次代につなげる狙いがある。

「多くの人が携わることで、みんなに大切にされる家になる」と話す杉原さん(左)。中央が坂本さん=仙台市太白区茂庭

 県道仙台山寺線沿いで建築中の店の施主は、仙台市青葉区のコーヒー店「ダモ・コーヒー・ハウス」を営む坂本翔吾さん(40)。3月20日~4月1日のほぼ毎日行われた作業には、坂本さんの客や知人ら延べ100人ほどが参加した。

 「こんな感じかな」。参加者が手板にのせた土をこてで壁の下地に塗りつけ、表面を整えた。「こては下から上へ、しゅーっと。いい感じ」。職人らからアドバイスを受け、徐々に様になっていった。

 木造2階、延べ床面積約100平方メートルの建物は、ボルトなどの金物を用いない木組み工法で建てられている。土壁を採用するなどほぼ自然の素材で建築されている。住居空間もある。

 WSの実施は、坂本さんが、木組みで建築された青葉区のギャラリーに関心を持ったことがきっかけだった。建築を手がけた宮城県南三陸町の大工杉原敬さん(51)に同様の技術で店を造れないか相談した際に、提案を受けた。

 杉原さんは木組みの伝統建築を得意とするが、手がけるのは4年前のギャラリー建築が最後だった。WSを取り入れたのも、その時以来だ。

 戦前まで各地で建築されていた木組みの伝統家屋は、通気性が良く長持ちする。柱やはりといった構造材が見えているために的確に補修ができる。ただ、戦後に建築のスピードや価格が優先されたことなどから、何代にもわたって使用できる伝統家屋が建てられる機会は激減した。

 杉原さんは「目の前にあるものを最大限生かすという知恵を次の世代に受け継いでいくためにも、みんなで楽しくやることが大切」と力を込める。WSによって、工事費を抑えることもできるという。

 最初の共同作業は2022年11月で、土に牛ふんやわらなどを混ぜて土壁の材料を作った。23年夏に現地で着工し、11月にあった壁の下地「竹小舞(たけこまい)」を竹とヨシで編む作業にも大勢が参加した。

 3月の土壁塗りに参加したアルバイト赤間優作さん(23)=青葉区=は「昔はこんなふうに助け合ったのだろうと想像できた」と振り返った。

 次のWSは完成直前の今夏に行われる予定で、土間の材料になる土や砂などを混ぜたり、土間を木の棒で固めたりする。坂本さんは「自然に優しい方法で家を建てる昔ながらの建築に、大勢の人が触れる機会にしたい」と笑顔を見せる。

 WSは誰でも参加できる。連絡先はshop@damo.jp

竹小舞の準備をする参加者
竹小舞をする参加者

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