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学力向上へ元教諭らサポート 小中高生対象に無料教室 石巻・ブレーメン

利用する生徒がつまずいた問題を講師が丁寧に教える

 石巻市内の小中高生の学力向上を目指し、地元の放課後こどもクラブBremen(ブレーメン)が無料の学習支援に取り組んでいる。4月からは新たに市ささえあいセンター2階のミーティングルームで教室をスタートさせた。地域の児童生徒らの学習を、元教諭らの講師が丁寧にサポートしている。

 支援の対象は小学生-高校生。基礎学習に不安を抱く子どもをはじめ、さまざまな理由で学校に通わない選択をしたり、勉強につまずいたりしている人も歓迎する。講師は市内の学校や塾の勤務経験者が務め、国語や算数、数学を中心に幅広く基礎の習熟を図る。学習用のドリルや参考書を用意するほか、宿題や課題の手助けをする。

 主に数学の勉強で利用する市内の高校1年生は「分からない問題の解き方をしっかり教えてもらえて、1人で取り組むよりも頭に入る」と喜ぶ。

 ブレーメンは2022年から、生活困窮に悩む家庭などを対象に、同市日和が丘4丁目の活動拠点で学習支援に取り組んできた。交通アクセスに課題があり、市内の子どもが通いやすい市ささえあいセンターを新たな支援拠点に選んだ。

 寳鈴子理事長は近年、市内の子どもの学力低下を問題視する。石巻市教委の23年度全国学力・学習調査結果の分析によると、市内の小学6年生と中学3年生の正答率は、国語・算数(数学)・英語の全科目で全国平均を下回った。中学校数学と英語の正答率は、全国平均よりも10ポイント低かった。

 寳理事長は「特にひとり親世帯の子どもは生活困窮が学力にも影響し、その後の社会で不利になってしまう。支援を活用し、何としても貧困を抜け出すレールに乗ってほしい」と願う。

 学習支援は午後4時半~7時半。事前の申し込みが必要だが、当日の飛び入りでも参加できる。午後3~4時からは学校や職場などでのさまざまな問題についての生活相談も実施している。連絡先はブレーメン0225(98)3095。

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