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ボンジュール!【特集】杜の都でパリを味わう

ボリューム満点ビーガン料理 ~The Veggie Table(仙台市青葉区)~

左からガパオライス、ドリンクの「定禅寺サンセット」、サラダ。いずれも単品注文可能

 アリアンスのマリクレール・ヴィダル院長によれば、近年フランス国内では肉や卵、乳製品など動物由来の食材を口にしない「ビーガン」が増えており、専門店も多いという。自身もビーガンという院長に、お薦めの店を教えてもらった。

 定禅寺通沿いにあるレストラン「The Veggie Table(ザ ベジ テーブル)」。「パリで暮らしていた頃に通っていた店と雰囲気が似ていて、懐かしい気持ちになります」と院長。米国出身のシェフで店長のリック・ミッケルソンさんが「ビーガン料理のおいしさを知ってほしい」と2023年に店を開いた。フランスやイタリア、タイなど各国の有名な料理を独学でビーガン向けにアレンジし、スパイスやハーブが利いたボリューム満点の一皿に仕立てている。

 取材ではランチコース(11:00〜14:00、2200円)を注文。季節で入れ替わるメイン料理にスープかサラダ、ソフトドリンクが付く。メインはお薦めという「ガパオライス」をチョイス。新鮮な野菜と大豆そぼろを使用し、レモングラスとホーリーバジルの清涼でスパイシーな香りが食欲をそそる。味も食感も良く、肉が入っていないことを意識させないおいしさ。

 「肉の代用品という考え方ではなく、ビーガン向け食材を生かす調理方法を考えています」とミッケルソンさん。

 店内は静かな音楽が流れ、壁には街の景色を描いた絵が飾られている。「ヨーロッパのレストランをイメージしています。ビーガンもそうでない人も、皆で集まってゆっくり食事やお酒を楽しむ時間を過ごしてほしい」

ミッケルソンさん「宮城県産の野菜もたっぷり使っています。持ち帰り可能なデザートもあるので、気軽に立ち寄って 」

【Data】
仙台市青葉区春日町3‐4‐105
メゾン定禅寺1階
TEL022-281-8570
営/11:00~21:00(LO20:30)、14:00~17:00カフェタイム、
  日曜日のみ11:00~18:00(LO17:30)
休/月・火曜

The Veggie Table

飲み物片手の散策も楽しい(ヴィダル院長)

お店や仙台の印象を話すヴィダル院長

 日本ではまだ少ないビーガンレストランが身近にあるのはとてもうれしい。料理はどれもおいしくて、シェフの思いが伝わってきます。仙台とパリの共通点は街にグリーンが多いところ。特に定禅寺通のベンチでコーヒーやビールを飲んでいる人を見ると、パリの市街地を思い出します。フランス人は外で飲食するのが好き。気軽にパリ気分を味わうなら、飲み物片手に定禅寺通を散策するといいかも。

パリ有名店の味わい伝える ~メゾンカイザー仙台(仙台市泉区)~

01 バケットモンジュ
02 ダークチョコレートとヘーゼルナッツのエクメック。エリック・カイザーのオリジナルレシピを再現。期間限定販売

 フランス人が好んで買いに来るというパンの店「メゾンカイザー仙台」。看板商品「バケットモンジュ」(350円)は、創業者が弟子入りして技術を学んだパリの名店「エリック・カイザー」と同じ天然酵母を使い、生地を一晩低温熟成することで小麦本来の甘さや風味を引き出しているという。メゾンカイザー仙台営業部の荒裕美さんは「商品名はエリック・カイザーのあるモンジュ通りに由来します。外側はカリっと、内側はもっちりした食感が持ち味でどんな食事にも合うバケットです」と話す。

 作り方に特徴はあるのか。職人の木村健二さんによると「材料はシンプルに小麦粉、水、塩、酵母のみ。ただしシンプルだからこそ酵母の扱いや焼き加減に至るまで、丁寧な材料管理と熟練が求められます」とのこと。パンは泉パークタウン・タピオ店で焼き上げ、仙台三越店と仙台PARCO2店へ届けられる。現在メゾンカイザー仙台では、エリック・カイザーで人気の「ダークチョコレートとヘーゼルナッツのエクメック」(400円)を期間限定で提供中。パリの味を気軽に楽しめそうだ。

焼きたてのバケットはそのままが一番。まず何も付けず、パン本来の味を感じてほしい 木村さん(右)と荒さん

【Data】
泉パークタウンタピオ店
仙台市泉区寺岡6‐4‐1 泉パークタウンタピオ南館1階
TEL022-355-6755
営/10:00~20:00
休/泉パークタウンタピオに準じる

メゾンカイザー仙台

ワイン片手に自分時間を ~ワインハウスBOUCHON(仙台市宮城野区)~

 フランス人はワイン好きが多いと聞き、フランス産ワインを多く販売する「ワインハウスBOUCHON(ブウション)」を訪ねた。在仙台フランス名誉領事館名誉領事でもある店代表の佐藤万里子さんに、仙台で「パリ気分」を味わうヒントとワインの楽しみ方を教えてもらった。

 「フランスの人はワインやチーズ、パンにはこだわりがあるなと感じます。うちの店ではシャンパンを注文する人が多いです。フランスは自分の時間や個性を大切にするお国柄なのでしょう。皆さん食の好みがはっきりしていて、あれこれ試すより気に入った銘柄を飲んでいる印象です」と佐藤さん。

 では仙台でパリ気分になれる楽しみ方はあるだろうか。佐藤さんは「これからの季節は爽やかな味わいのスパークリングワインが合います。外で飲むのも楽しいですよ。ワインをお供に自分の時間を過ごされてはいかがでしょう」と話す。

 店の地下には大きなワインセラーがあり常時約1000種類、およそ1万5000本をそろえる。夏と冬にワインのセールを実施し、ソムリエによるワインセミナーも不定期開催している。「パリ気分」を高めるお気に入りの一本を探しに訪れるのもいいだろう。

さとう・まりこさん フランス産ワインを扱う縁で2018年、在仙台フランス名誉領事館名誉領事に就任。主に仙台在住フランス人の支援、日仏文化交流の促進や情報発信など、フランスと仙台の橋渡し役を務める

ソムリエ・土井さんお薦めのワイン

01 クレマンドブルゴーニュ 3960円
 ブルゴーニュ地方のスパークリングワイン。泡立ちが柔らかく、爽快感がありながらも後味の余韻を楽しめる一本

02 リースリング・トラディション 3300円
 アルザス地方の白ワイン。さわやかで気品にあふれた味わいが特徴

03 レ・フィエフ・ド・ラグランジュ 6050円
 ボルドー地方の赤ワイン。ブルーベリーやプラムの果実を感じる濃厚な味わい

ソムリエ・土井孝充さん「季節や飲む人の気分に合わせたワインを提供します。気軽に声を掛けてください」

【Data】
仙台市宮城野区元寺小路302‐14
TEL022-257-2331
営/11:00~23:30(17:30からバータイムあり)
休/日曜

ワインハウスBOUCHON

パリに本店 欧州チーズ直輸入 ~フロマジュリー・ヒサダ 仙台三越店(仙台市青葉区)~

01 定番のチーズ「コンテA.O.C. エクストラ」(100g1188円)
02 期間限定商品「ローヴドゥプロヴァンス」(1個1981円)はハーブの香りをまとった華やかな山羊(やぎ)乳のチーズ

 フロマジュリー・ヒサダはパリに本店を構える本格チーズの専門店。店にはヨーロッパ直輸入のチーズが多数。

 「フランスを代表するチーズといえばハードタイプのコンテでしょう。店で扱うのはフランスの認証を通ったコンテA.O.C. エクストラという商品です。夏に絞ったミルクのみで作ったチーズを、15~18カ月かけて熟成させています。ナッツのような香ばしさと濃厚な旨味とコクがあり、食感も独特です」と店長の滝澤智文さん。カットの仕方や厚みで味わいが変わり、スライスしてバケットにのせたり、棒状にカットしてドライフルーツやジャムと合わせたり、加熱して料理に使ったりと幅広く楽しめるという。他にも個性的なチーズが豊富にそろい、期間限定のものもあるので、何度も足を運び自分好みのチーズと出合う楽しみもありそう。

滝澤さん「ワインとチーズのペアリングは王道ですが、日本酒との相性も抜群。ぜひ試してみて 」

Data
仙台市青葉区一番町4-8-15
仙台三越本館地下1階
℡022-722-4005
営/10:00~19:30
休/仙台三越に準ずる

フロマジュリー・ヒサダ 仙台三越店

(河北ウイークリーせんだい2024年6月13日号掲載)

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