10年前、盛岡市内の工房で毛織物「ホームスパン」を取材した。上質な羊毛を手で紡ぎ、手織りで仕立てたマフラーやジャケットは温かな手触りが記憶に残る。
工房は築70年を超える木造平屋を活用し、室内には10台の機織り機が所狭しと並んでいた。
当時、岩手県が誇る工芸品が、英国発祥で、明治時代に伝わったと初…