<大観音の傾き(11)>わたしたちは見つめ合っていた 山野辺太郎
食事を終えると、修司は風呂を浴びさせてもらった。借りもののパジャマを着て、歯を磨いてから脱衣所を出た。居間のとなりの和室で、天野が押入から布団を下ろしていた。敷き布団の薄緑色の地に、菊のような花の絵柄がちりばめられていた。
「あ、すみません。僕、敷きます」
修司は歩み寄って布団のまえにかがみ込んだ。…
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