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福島・会津若松の「会津東山温泉向瀧庭園」が登録記念物に 文化審答申

初夏の向瀧庭園。池に落ちる小さな滝の水音が涼しげに響く

多彩な趣で宿泊客魅了 

 明治から昭和初期にかけて建築された旅館「向瀧(むかいたき)」とともに整備された庭園は、四季折々の眺めで宿泊客を癒やす。

 南北の奥行き約40メートル、U字形の庭は約1100平方メートル。高低差約12メートルに及ぶ斜面は大まかに3段に分かれる。南の山の斜面を借景に、北を流れる湯川の渓流から水を引いた池、桜やツツジ、モミジなどの木々、景石を配する。

 取り囲むように配置された客室や廊下、庭の階段を歩きながらの眺めはそれぞれに角度が変わり、多彩な趣で見る人を魅了する。

 8世紀の開湯と伝わる東山温泉。向瀧は会津藩保養所を前身に1873年、平田家が開業した。木造旅館4棟は、文化財指定制度を補完する形で1996年に新設された文化財登録制度で登録された第1号。庭園の登録は2度目の喜びだ。

 6代目の平田裕一さん(63)は「地球の恵みをもらっている。登録がゴールではなく、今後も手入れを続けていく」と話す。

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