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お出かけを楽しもう【特集】夏旅快適術

《添乗員に聞く 夏旅快適術》

 旅のこつはプロに聞け! 添乗員として10年以上のキャリアを持つ東條淳子さんに、旅を快適に満喫するヒントを教わった。計画から準備、現地での楽しみ方まで実践的なアドバイスがいっぱいだ。

Point1 「どこへ」より「何をする」

 旅の計画を立てる際は、行き先だけでなく「テーマ」を決めると、イメージが具体的になり、観光するスポットが選びやすくなります。「温泉巡り」「美術館や博物館」「朝市巡り」…、皆さんは旅先でどんなことをしたいですか。あらかじめ旅の目的があれば下調べもしやすく、現地で過ごす時間も充実して満足度が高まります。同じテーマを切り口にして、次の旅行先を考えるのも楽しいですよ。

Point2 衣類整理は「風呂敷」「巾着」

 衣類のパッキングには風呂敷を活用しましょう。かさばらず、服の大きさや数に応じて自在に包んでひとまとめにできます。下着類は巾着袋に入れておきましょう。これらとは別に小さめのランドリーバッグを用意し、着用済みの衣類をどんどん入れていけば、未使用のものと汚れものを分けて整理できます。帰宅後はランドリーバックの中身だけを洗濯機に移せばいいので、手間も省けます。

 小物入れとして優秀なのは、ジッパー付き保存袋。かさばらないので多めに持参するといいでしょう。歯ブラシなど水回りグッズの持ち運びに便利なほか、充電器類や常備薬、旅先で購入した小さなお土産など、こまごましたものの整理に役立ちます。またレジ袋はほとんどの店舗で有料化されているので、エコバッグも常時携帯をお勧めします。

旅行用のランドリーバッグは100円ショップなどでも売っている

Point3 足ケアで車内も快適

 移動中に長時間座ったままだと足がむくんだり血流が悪くなったりするので、意識して体を動かしたいもの。長距離バスは通常、2時間弱ごとにトイレ休憩があります。用がなくても車外に出て、体を伸ばしたり歩き回ったりしましょう。自家用車でドライブする際も、2時間を目安に休憩を取ってリフレッシュを。

 添乗員としてツアーに同行する際、むくみ対策としてキャリーケースやボストンバッグを足元に置き、フットレスト代わりに足を乗せている人をよく見かけます。携帯用の折り畳みスリッパに履き替えて、楽に過ごされる人も多いです。100円ショップなどで購入できる「S字フック」は、座席回りでハンドバッグやごみ袋などをつるすのに便利なので、バッグに入れておくといいですよ。

持ち帰り可能なホテルのスリッパが便利。S字フックは旅行中のさまざまな場面で活躍する

Point4 旅を楽しむ 小技あれこれ

▶観光案内所を有効活用
 目的地に着いたら、まずは観光案内所へ。地図やパンフレットのほか、インターネットにはない最新情報を得られることも多く、スタッフも親切に対応してくれます。無料のレンタサイクルを利用できることもあるのでチェックを。小回りが利く自転車は、観光の「足」に最適です。

▶地元ガイド積極利用
 観光スポットで時間に余裕があれば、ぜひボランティアガイドに案内してもらいましょう。史跡や名勝の魅力を深掘りでき、どこにも載っていないような逸話をお国言葉で聞かせてくれます。実は、よく知っているつもりの観光名所も、ガイドの話を聞くと面白い発見があるものです。

▶「ご当地もの」を撮影
 私のいち押しは、コストをかけず手軽に楽しめる「ご当地マンホール」です。マンホールのふたは自治体ごとに凝ったデザインが多く、円形の中に土地の名物や魅力をぎゅっと詰め込んだ「アート」。写真に収めてコレクションすれば旅の楽しみが1つ増えますよ。皆さんもお気に入りの「ご当地○○」を探してみては。

ご当地の特色を感じられるマンホール

Point5 お土産は一期一会

 旅先で出合うお土産は一期一会。そこにしかないものがあったり、帰りに同じ店に寄るつもりでも事情が変わったりするので、気に入ったらその場で購入を。私も、滞在する場所ごとにちょこちょこ買い物をします。荷物が増えたら途中で発送するのも手。「お土産は最後に空港や駅ターミナルの土産物店でまとめて買おう」と考えがちですが、目当ての商品が売り切れていた、着いたら営業時間外だったなど、リスクがあるので必要な分は早めに購入しておくと安心です。

 意外と面白いのはローカルスーパー。その土地ならではのお菓子や食材、お酒などは見て回るだけでも楽しいですよ。

【東條 淳子さん】
 徳島県出身、仙台市在住。旅行会社勤務などを経て添乗員になる。現在は旅行代理店・河北新報トラベルで旅の企画や販売、添乗員業務に携わる。

河北新報トラベルが企画・実施するツアーの詳細はWEBサイトで確認を

《トラブルを回避 JAFに聞く快適ドライブ術》

 車旅の楽しさは、トラブルなく無事に帰宅できてこそ。特に長距離運転の際は事前の点検をしっかり行い、万が一の対処法を頭に入れておきたい。ロードサービスなど自動車に関する多様な業務を行う日本自動車連盟(JAF)の三部司さんに、自分でできる点検やよくあるトラブルについて教わった。

Point1 遠出前 点検欠かさず

 点検は車のトラブルを未然に防ぐための基本。遠出の前にチェックすべき項目は「タイヤ」「ランプ」「エンジン始動時の異常」の3つです。専門知識がなくても大丈夫。特にタイヤの異常は大きな事故を引き起こしかねないのでしっかり確認しましょう。ポイントは「損傷や亀裂がないか、くぎなどが刺さっていないか」「溝の深さは十分か」「空気圧は適切か」。空気圧はガソリンスタンドなどで簡単に点検できます。

 ランプ類はヘッドランプ、テールランプ、ブレーキランプなどが正しく点灯するか1つ1つチェックを。最後に、エンジンをかけたときに異音がしないか、ディスプレーの警告灯が点灯していないかを確認しましょう。

 点検について詳しくは、JAFのWEBサイト内にある「日常点検15項目」を参照してください。

エンジンオイルの点検もこまめに

Point2 2大トラブルにご用心

 昨年夏のロードサービス実績(表)では、バッテリートラブルが3割超、タイヤトラブルが2割を占めます。

▶バッテリー

 バッテリーあがりの主な原因は「ランプの消し忘れ」「エンジンを止めたままオーディオなどを使用」「長期間運転していない」「バッテリー自体の劣化」など。エアコンをよく使う夏場はバッテリーへの負担が大きくなりがちです。さらに最近の車はスマートキーへの対応やドライブレコーダー作動などのため、エンジンを切った状態でも少しずつ電気を消費します。そのため長期間乗らずにいると充電されず、バッテリーあがりを起こす場合があります。

 また、車種や使用状況によりますがバッテリーはおおよそ3年経過すると劣化しはじめ、突然トラブルが起きることも。年数がたったバッテリーは、遠出前にカーショップなどで点検を受けると安心です。エンジンがかからなくなった場合は、原因を特定した上で適切な対応が必要なので、ロードサービスへご連絡を。

車種により異なるバッテリーの配置。トラブル発生時はロードサービスなどに任せるのが安心だ

▶タイヤ

 タイヤトラブルのうち空気が外に漏れることをパンク、タイヤ自体が破裂することをバーストといいます。パンクは主にくぎなどの異物が突き刺さることで起き、気付かない間に少しずつ空気が抜けてしまいます。最近はスペアタイヤを搭載していない車が多いため、パンクに気付いたらすぐ最寄りのカーショップなどに行くか、安全なスペースに停車してロードサービスに連絡することをお勧めします。

 バーストは高速道路で起きることが多く、コントロールを失い命にかかわる重大事故につながる危険があります。原因は主にタイヤのひび割れや損傷、空気圧不足で、事前の点検で予防できるケースが多いといえます。起きてしまった場合はパンクと同様、ロードサービスへ。

空気圧不足はバーストの原因。適正な空気圧は車のピラーなどに表記してある

Point3 スマートキーも注意

 「ドアが開かない」「エンジンがかけられない」など、スマートキーのトラブルは電池切れが原因のことが多いです。定期的に電池交換を行うほか、万が一の対処法を取扱説明書で確認しておきましょう。車内にいるお子さんがスマートキーで遊んでいたらロックがかかり閉じ込められたという深刻な案件も。ドライバーはキーを肌身離さずお持ちください。

キーの電池切れを車のバッテリーあがりと誤解するケースが多い

【三部 司さん】
 仙台市出身。日本自動車連盟(JAF)宮城支部勤務。ロードサービス隊員として宮城県内各拠点で16年間経験を積んだ後、現在は広報を担当する。

JAFのWEBサイトでは、安全運転のこつなど役立つ情報がいっぱい。ドライブ前にのぞいてみよう

お薦め! 「ドライバーズセミナー」

 運転歴1年以上の人からベテランドライバーまでを対象とした交通安全講習会を9月8日(日)に開催する。マイカーを使用し、公道ではできない実技体験を通じて、「自分の運転技量」と「車両の特性」を認識し、安全運転につなげることができる講習だ。講習会の詳細はJAFのWEBサイトまたはJAF宮城支部まで問い合わせを。

開催日/9月8日㈰12:30~16:30
費 用/JAF会員1100円、一般2200円
定 員/20名(最少催行人数5名)※応募多数の場合は抽選
会 場/宮城県運転免許センター
<問>JAF宮城支部 ℡022-783-2826(平日10:00~17:00)

(河北ウイークリーせんだい2024年7月4日号掲載)

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