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インターン1ヵ月、成果報告 水産業の課題 学生提言 宮城・石巻

成果を発表するインターン参加者

 宮城県石巻市の水産会社で全国各地の学生が1カ月間インターンシップで学んだ成果の報告会が9月17日、同市の石巻魚市場であった。担い手やノウハウ不足を抱える企業に学生らしい視点でアイデアを発表した。

 県内の若手漁師らでつくる一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(FJ、石巻市)が主催し、8月16日~9月18日の1カ月間、北海道や三重県などの学生12人が参加。水産会社6社で、人材確保や販路開拓を図るホームページや交流サイト(SNS)運用などを提案した。

 東洋大3年の丹伊田(にいだ)真実さん(20)=東京都葛飾区=と早稲田大3年の平井優輝さん(21)=川崎市=は、市内で多いインドネシア出身の技能実習生と受け入れ企業向けに両国の文化を紹介するガイドブックを作成。実習生9人を取材し、2人の生い立ちや日本での暮らしぶりを掲載した。

 平井さんは「実習生を身近に感じ、親しみを持てる内容になるよう工夫した」と振り返る。丹伊田さんは「実習生を取り巻く環境にマイナスな印象があったが、働きやすい職場で日常を楽しむ実習生がいることを知れた」と話した。

 インターン学生を受け入れた水産加工業「盛信冷凍庫」は社員の3分の1が外国人実習生。臼井俊文専務(36)は「今後も共に働く上で相互理解は不可欠。より良い関係を築くため(ガイドブックを)社内外で活用する」と語った。

 2017年に始まったインターンには、これまで200人以上が参加、石巻市などの水産会社80社が受け入れた。FJでインターンシップを担当する松本裕也さん(38)は「回を重ねるごとに企業側が学生の受け入れに慣れ、成果内容もレベルアップしている」と手応えを話した。

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