コロチキ・ナダルさんCM再起用　山形県が投票率で国政選挙5連覇「狙っちゃってる!」

　国政選挙の投票率が４回続けて全国で最も高い山形県の選挙管理委員会が、２７日投開票の衆院選で「５連覇」に向けて啓発活動を急ピッチで進めている。９日の衆議院解散から投開票まで期間が短いこともあり、デジタル媒体も駆使して若者向けの周知に力を注ぐ。

若者向け啓発急ぐ

　１６日に放送が始まったＣＭは、若者に人気のお笑いコンビ「コロコロチキチキペッパーズ」のナダルさんを起用し、本人のギャグをもじった「山形県民は選挙に行っちゃってる！」と呼びかける。テレビ、ラジオに加え、交流サイト（ＳＮＳ）やインターネットでも展開する。

　ナダルさんは山形県高畠町生まれで、前回２０２１年の衆院選でもＣＭに起用した。県選管の有権者アンケートで、印象に残った啓発活動としてＣＭが前々回（１７年）に比べて約１０ポイントも上昇したこともあって再登板が決まった。

　ネットでは動画配信サイト「ユーチューブ」の県選管の公式チャンネルに加え、ＣＭをスキップできない民放公式配信サービス「ＴＶｅｒ（ティーバー）」で初めて流す。県選管の公式インスタグラムでもＣＭの画像などを配信。コンビニのレジ画面では投票日などを周知する広告を表示する。

　初めて選挙権を持つ１８歳の高校生向けの啓発にも取り組む。１６日に山形県庁で行った白ばら啓発隊出発式では、山形北高吹奏楽部が花笠音頭などの演奏と歌を披露して機運を盛り上げた。県内の高校に依頼し、生徒が校内放送で投票を呼びかける企画もある。

　県内の投票率は１７年衆院選から全国１位を堅持。前回衆院選は６４・３４％と全国平均（５５・９３％）を大きく上回り、直近の２２年参院選も６１・８７％と全国で唯一、６０％を超えた。

　今回は短期間のため、選挙戦の前半は啓発活動で使用するポケットティッシュなどの配布物の十分な量の確保が難しいという。県選管事務局の土屋大書記長補佐は「走りながら準備していくしかない。デジタルを有効に活用し、高い投票率で有権者が『みんなが投票に行くから自分も行かなきゃ』と思ってもらえるように啓発したい」と話した。