「忘れ物 忘れたことも 忘れがち」 仙台の介護施設が川柳グランプリ 96歳・山口てる子さんに大賞
仙台市内でデイサービス施設などを展開する介護サービス事業「コスモスケア」(泉区)が、利用者や家族、職員から川柳を募る「コスモス川柳グランプリ 夏の陣」を初めて開いた。十七音字の中に大切な人や体調、自然への思いを込めた句が集まった。大賞には利用者の山口てる子さん(96)=若林区=の「忘れ物 忘れたことも 忘れがち」が選ばれた。
毎日の生活の中で感じる気持ちを表現し、生きがいにつなげてもらおうと企画。8施設の利用者らから192句が集まり、同社の佐藤賢三会長(79)らが入選作品12句を選んだ上で、利用者による投票で大賞を決めた。
若林区のデイサービス施設で2日に表彰式があり、佐藤会長が山口さんに賞状と好きな場所への外出をサポートする権利などを記した目録を贈呈。山口さんは「まさか自分の考えた作品が選ばれるとは思っていなかったので、驚きとうれしさであふれている」と喜んだ。
入選作には「親友(とも)がいる 唯(ただ)それだけの 常備薬」「我(わ)が息子 たまには連絡 よこせよナッ」「高いわね 気温も物価も 血圧も」「帰り道 狸(たぬき)に出会う 遅勤務」などが選ばれた。
ユーモラスな句や温かみを感じさせる句がそろい、実行委員を務めた柵木(ませき)圭祐取締役(51)は「コロナ禍をきっかけに外出の機会も少なくなり、皆さんがつまらないだろうと思って企画した。第2回もぜひ開きたい」と語った。
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