津波防災の日に6000人避難訓練 仙台沿岸部、場所や経路確認
仙台市は「津波防災の日」の5日、津波避難訓練を行った。沿岸部にある小学校や事業所など62カ所で計約6000人が参加。宮城県による最大級の津波浸水想定を踏まえ、避難する場所や経路を確認した。
訓練は午前9時45分に東北地方の太平洋沖を震源とする地震が発生、3分後に県内に大津波警報が発表されたとの想定で行われた。
仙台港の西約1・2キロに位置する宮城野区中野の特別養護老人ホーム「中野あおばの杜」では、職員ら約30人が取り組んだ。周辺は最大約3メートルの浸水が想定されており、車いすに乗った高齢者役の職員を屋外のスロープを使って2階に避難させるなどした。
あおばの杜では、入所者約120人を地震発生からなるべく早く2階以上に避難させる計画。つえが必要な高齢者役を務めた職員の田村しのぶさん(47)は「利用者の状態によって歩くスピードは全然違う。十分に配慮しながら安全に避難誘導できるように日頃から備えたい」と話した。
施設は市の津波避難施設に指定されており、近隣の事業所からも従業員約10人を受け入れた。加藤直樹施設長(40)は「事業所と連携した訓練は初めてだったがスムーズにできた。避難施設であることを認知してもらえるよう継続して実施していきたい」と今後を見据えた。
市は大津波警報の発令時、浸水想定域外への避難を呼びかけるが、難しい場合は津波避難施設や避難階段、避難の丘の利用を推奨する。
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