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多頭飼育崩壊防ごう 秋田県が市町村向けセミナー 福祉と動物愛護、部署の垣根超え連携促す

福祉や動物愛護分野の行政職員が認識を共有したセミナー

 秋田県は20日、多数の犬猫を劣悪な環境に放置する多頭飼育問題について、福祉と動物愛護に携わる県と市町村職員らの連携強化を図るセミナーを初めて開いた。互いの得意分野を把握して認識を共有し、課題解決につなげるのが狙い。

 秋田市雄和の県動物愛護センターであったセミナーには、オンラインを含め約70人が出席。高齢者福祉を担う地域包括支援センターや保護された動物を管理する市町村職員らが学んだ。

 長野県社会福祉協議会の佐藤尚治社会福祉士(57)が、職種間の連携が進んでいる同県の事例を紹介した。佐藤さんは「多頭飼育は生活困窮や高齢化などが引き金となって起きる可能性が高い。問題を抱えた飼い主を的確な相談先に結び付けることが解決に役立つ」と指摘した。

 続く情報交換会では、参加者から「家の中で飼育する人が多く、実態が分かりにくい」「訪問先で猫を100匹ほど飼う世帯がある。カウンセラーが飼い主の悩みを聞くことも必要だ」などの意見が出された。

 県内では、2022年に藤里町で多数の犬を劣悪な環境で飼育していた事案が見つかったほか、繁殖率の高い野良猫対策も課題だ。

 企画した県生活衛生課の三浦聡子チームリーダー(53)は「それぞれの現場で対応してきたが、職種の垣根を超えて連携レベルを高めていく機会を増やしたい」と話した。

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