閉じる

宮城の「クマ出没」は平年並み ブナの実豊作「生活圏に出てくる可能性低い」 県が予測公表

自動カメラで撮影したツキノワグマ=2016年秋、仙台市泉区の泉ケ岳

 クマが今冬に宮城県内でどのくらい目撃されるかどうかについて、宮城県は「平年並み」と予測している。ブナなど餌となる木の実が豊作だったため、餌を求めて人の生活圏に出没する可能性は低いとみている。

 県は11月末に「クマ出没シーズン予報」冬季分(12~3月)を公表。木の実の豊凶調査は「豊作」で、餌を確保するため動き回り、冬ごもりできないクマは少なくなる。今冬のクマの出没件数は過去5年平均と同程度の40件前後とみる。

 2023年秋は木の実が凶作で、昨年12月~今年3月のクマの目撃件数は113件だった。23年度中の目撃は1357件に上り、16年度の1642件に次いで過去2番目に多かった。

 クマは、前年の冬ごもり前に餌を確保した場所を覚える傾向がある。置きっぱなしの生ごみや、収穫されず放置された果実は出没リスクを高めてしまう。

 県自然保護課の担当者は「特に朝夕の時間帯はクマに遭遇しやすいので、警戒を怠らないようにしてほしい」と話す。

自動カメラで撮影したツキノワグマ=2016年秋、仙台市泉区の泉ケ岳

関連リンク