楽しくたき火、防災にも一役 宮城・石巻拠点の企業がアウトドア用品を製作
宮城県石巻市に生産拠点を構える金属加工業「三和工業」(美里町)は、アウトドアブランドと連携し、ユニークなたき火道具を製作した。東日本大震災の最大被災地石巻に拠点を置く企業として「たき火を通して防災意識の向上にもつなげたい」としている。
新商品は、たき火台の「TWIN(ツイン)」と「STONE QUEST(ストーン クエスト)」、「GOTOKU EXPAND(五徳エクスパンド)」の3種類。いずれもたき火道具ブランド「タキビズム」とコラボレーションし、ステンレスを加工して製作。10月から販売している。
ツインは直径33センチと27センチの2枚の炉皿を置くことができ、一方で調理し、もう一方で暖を取るなど2種類の使い方を楽しむことができる。折り畳み式で6万9800円。
「ストーン クエスト」は直径47・5センチ。台の周囲に設けられた七つの穴に好みの石をはめ込むことで、たき火の雰囲気を自由に変えられる。ネジ式脚タイプ3万4800円、折り畳み式脚タイプ3万9800円。
五徳はいずれの台にも設置が可能で、脚を伸縮させて火との距離を調整できる。1万7800円。
半導体製造装置の部品など精密板金加工を得意とする同社は10回ほど試作を重ね、たき火台の折り畳み脚にロック機能を備えるなど細部まで工夫した。石巻をPRするため、製品には特産のサバをイメージしたオリジナルロゴなどを刻印。同市のふるさと納税返礼品にも採用されている。
佐藤隆一代表(40)は「キャンプ好きな人にとって魅力的な製品に仕上がったと思う。震災時は低体温症で亡くなった人も多いと聞くので、楽しみながら火をおこすスキルを身に付け、災害時に役立ててほしい」と話す。
インターネット通販のほか、同社石巻工場でも販売している。連絡先は同社0225(86)3286。
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