宮城・大河原町職員が「水道開栓作業ミス」 集合住宅5戸が水浸しに 損害賠償額は2200万円
宮城県大河原町が実施した集合住宅の水道開栓作業で、担当していた町職員の確認ミスにより、大規模な漏水事故が発生、建物の修繕工事費用など町の損害賠償額が約2200万円に上ることが分かった。町水道事業会計から支出する議案が10日の町議会12月会議で可決された。
水洗トイレのタンクが未設置、漏水量は4トン
町によると、9月11日午前10時ごろ、町上下水道課の職員が、同町緑町の集合住宅(鉄筋コンクリート造り、地上5階)の5階の部屋で、翌日から入居する住民のために水道開栓作業を行った。
職員は室外での作業後、メーターのカウンターが止まるのを確認しないまま現場を離れた。漏水した部屋は水洗トイレのタンクが未設置だったため水が出続け、5階の部屋の床と階下の1~4階計5戸で天井や壁、家財が水浸しになった。
部屋はリフォーム工事が休みで施錠されていた。業者の不在や住民全員が留守だったため発覚が遅れ、町が被害を知り止水したのは午後6時ごろだった。水の流出は約4トンに及ぶ。
通常の開栓作業では、水洗トイレのタンクが満杯になり次第栓が閉まってメーターが停止する仕組み。職員はタンクが設置されているものと勘違いした。開栓作業を担当する町職員は1人だけ。昨年度は約3200件の実績があった。作業は来年4月以降、民間業者に委託することが事故前に決まっていた。
物件は築52年の旧雇用促進住宅で、賠償額は2234万円。日本水道協会の保険で約1500万円を賄えるため実質的な賠償額は約700万円。
斎清志町長は「住民の皆さんには多大なご迷惑をかけた。検証し再発防止策を考えていく」と話した。
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