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吉野作造記念館が30周年 2月1、2両日に記念イベント 宮城・大崎

吉野の生涯と業績を貴重な資料とともに紹介している展示室

 大崎市の吉野作造記念館が29日、開館30周年を迎える。政治学者として大正デモクラシーを主導し、明治文化研究や社会福祉事業にも奔走した古川出身の吉野作造(1878~1933年)の精神を後世に伝えようと、記念館を運営するNPO法人古川学人は2月1、2の両日、市内で記念式典とイベントを開く。

 記念式典は1日午後1時から、大崎生涯学習センター「パレットおおさき」で開催する。運営に貢献した個人や団体に感謝状を贈るほか、記念館特別顧問で文化功労者の猪木武徳大阪大名誉教授が「デモクラシーの今後を脅かすもの」と題して記念講演を行う。

 2日午前9時~午後4時は市地域交流センター「あすも」で「おおさきデモクラシーフェスティバル」を催す。午前9時半から市民朗読劇「知るぞ、学ぶぞ、吉野作造」を上演。11時からの「こども白熱教室」は、小学生が「ふつうってどういうこと?」をテーマに話し合う。午後1時からは、県内の高校生による政策提言発表会がある。

 記念館の30年の歩みや、民主主義や選挙の大切さを伝える絵本「ケロッキーブーとおおきなあな」を紹介する展示のほか、吉野の好物だったお汁粉とおでんの提供、投票体験コーナー、おはなし会などもある。今月29日~2月2日は入館無料となる。

開館30周年を迎える吉野作造記念館

 記念館は1995年、吉野の誕生日に当たる1月29日に開館した。当初は旧古川市が運営したが、財政難を理由に2002年度からNPO法人古川学人に運営を委託。06年度以降は古川学人が指定管理者となり、企画展の開催や資料の収集と管理、人材育成事業などを展開している。

 古川学人の菅原美紀専務理事は「記念館を守ってきた人たちの思いを語り継ぎながら、若者や新しい人も呼び込み、つながる機会にしたい」と話す。

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