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仙台・作並のホテルに「大衆演劇場」 2月1日オープン、演劇ファンや訪日客誘致目指す

 仙台市青葉区の作並温泉のホテル「La楽(らら)リゾートホテルグリーングリーン」は2月1日、館内に大衆演劇場「作楽座(さくらざ)」を新設する。演劇ファンやインバウンド(訪日客)を誘致する呼び水とし、作並温泉の活性化につなげる。

大衆演劇場がオープンするグリーングリーン

宿泊客は夜公演を無料で見られる

 朝夕食のバイキング会場にある舞台を改修して演劇場にする。公演は昼(午後1時から)と夜(午後8時から)の1日2回。2月は「劇団朱光」、3月は「章劇」と、いずれも東京大衆演劇協会に所属する劇団が出演を予定している。

 料金は昼夜とも大人(中学生以上)2375円、小学生1000円、幼児500円。いずれも日帰り入浴料を含む。宿泊客は夜公演を無料で観劇できる。東北は演劇場が少なく、外国人旅行者が日本文化を体験できる場所になりそうだ。

 グリーングリーンは、教育旅行の誘致にも力を入れている。ホテル周辺での自然体験や大衆演劇の鑑賞、ワークショップなどを通じ、教科を横断して創造性を育む「STEAM(スティーム)教育」を実践できる宿泊プランを提案する。

 作並温泉は新型コロナウイルスの5類移行後も観光客数の回復が鈍い。宮城県観光統計概要によると、最新の2023年の観光客入り込み数は約14万3000人。前年に比べ40%増加したが、コロナ禍前の19年比は6割にも届いていない。

 大型宿泊施設の一つ、グリーングリーンの大衆演劇場の開設は、夜間の滞在にもつながるため、近隣の施設への宿泊を含め、作並温泉全体の誘客増に向けた起爆剤になると期待される。

 グリーングリーンの運営主体は昨年7月、ホテル王将(山形県天童市)の関連企業から、長野県などでホテル業を手がけるSTホテルグループのホテルマネージメント(仙台市)に変わった。

 同社の後藤公彦取締役営業本部長(54)は「3世代で楽しめるようなホテルにする。作並温泉旅館組合に加盟する4軒の個性を生かし、互いに切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と意気込む。

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