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迫力の能舞台を堪能 宮城・白石の碧水園で喜多流公演

能「藤戸」の一場面

 白石市南町の市古典芸能伝承の館碧水園能楽堂で、「碧水園能 喜多流公演」が開かれた。能「藤戸(ふじと)」では、佐々木多門さんが前シテ・漁夫の母と後シテ・漁夫の霊を厳かに演じた。

 藤戸は無残にも殺された漁夫を中心に、母が深い悲しみを訴え、漁夫の霊が自らが殺されたありさまを語る。争いがもたらす暴力の理不尽さを問いかける名曲だ。

 演目はほかに、仕舞「和布刈(めかり)」、狂言「鐘(かね)の音(ね)」があった。主催した碧水園能に親しむ会実行委員会の太宰雄一郎会長(87)は「表現の難しい曲ではあるが、気迫、迫力を感じることができた」と語った。

 公演は8日にあった。碧水園では6月7日に観世流能公演を予定している。

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