アイヌ資料、収集背景に迫る 毛利コレクション特集展、3月9日まで 石巻
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石巻市出身の歴史研究家毛利総七郎(1888~1975年)が明治時代から昭和にかけて収集した資料群「毛利コレクション」のうち、アイヌに関する資料とその収集背景に焦点を当てた特集展が、石巻市開成の市博物館で開かれている。3月9日まで。
毛利コレクションのアイヌに関する資料は、アイヌによって生活の中で使用された道具が中心で、経年劣化や傷が見られる物が多い。資料127点とともに、資料の入手元が分かる手紙32点を紹介している。
生活、衣装、神事、食事というの使用目的ごとに分類して展示。道具がどのように使われていたかを想像することができる。骨董(こっとう)商から購入した首飾りや宝刀などの展示には、やりとりをした手紙を添えた。
毛利はコレクションを共同管理していた洋服店店主の遠藤源七、収集活動を支援した杉山寿栄男(すえお)と1939年、北海道を訪れ、資料を収集した。アイヌの暮らしを実際に見て、実際に使用した生活用品などに注目するようになった。
学芸員の泉田邦彦さん(35)は「毛利コレクションがいろいろな時代背景のなかで生まれた資料群であることを知ってほしい。資料からアイヌの生活や資料そのものの面白さに触れてもらいたい」と呼びかける。
午前9時~午後5時。一般300円、高校生200円、小中学生100円。月曜休館。連絡先は市博物館0225(98)4831。