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「手数料が経営の足かせになっている」仙台のスーパー「むらぬし」がキャッシュレス決済終了へ

宮城県仙台市

 仙台市若林区のスーパー「生鮮館むらぬし」は7日、商品会計時のキャッシュレス決済(クレジットカード、電子マネー、QRコード決済)を3月31日で終了すると発表した。カード会社などに支払う手数料の負担が大きくなったためと説明する。4月以降は現金払いのみ対応する。

「生鮮館むらぬし」の野菜売り場

 むらぬしによると、キャッシュレス決済は2020年に本格導入。当初、クレジットカード会社への手数料は1%台だったが、現在は3%を超える。決済アプリのPayPay(ペイペイ)も当初ゼロだったが、2%近くまで上昇した。

 原材料費や輸送費の上昇で販売利益が圧迫されており、手数料負担は相対的にも大きくなった。村主芳治社長は「常に3%引きで商品を販売しているようなもの。経営の足かせとなっている」と理解を求めた。

 来店客のうち、3、4割がキャッシュレス決済という。むらぬしはキャッシュレス終了でコストを削減できた分で「商品の価格を少しでも下げて、お客さまの生活を応援する」とした。

 経済産業省は、国内消費に占めるキャッシュレス決済の利用率を25年に40%とする目標を掲げ、23年時点で39・3%に達した。

 村主社長は「(手数料負担が)ゼロなら当然やるけれど、国が下げる努力をしていない」と批判した。

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