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青森 記録的大雪に苦労、人の温かさに触れる<北から南から>

 今冬、青森県は記録的な大雪に見舞われた。特に年末年始は自治体による生活道路の除排雪が追い付かず、車の運転は命がけ。朝晩の雪かきの苦労もお構いなしに降り積もる大量の雪に心底嫌気がさしたが、思いがけず雪国の人々の優しさに触れる機会にもなった。

 1月某日、出張に向かうため自宅マンションの駐車場から車を出そうとした時のこと。車周辺の雪を片付けてアクセルを踏み込むも、タイヤが空転するだけで全く前進しない。さらに雪をよけても変化はない。途方に暮れながら格闘していると、通りがかった女性3人に「大丈夫ですか」と声をかけられた。

 状況を説明すると、一緒に雪をよけて車を押してくれた。30分以上にわたって力を貸してもらったが車は動かず、諦めてタクシーを呼ぼうとすると、1人の女性が「私の車に乗っていきな」と駅まで送り届けてくれた。恐縮する私に「困った時はお互いさまだから」とさらりと言う女性の懐の深さに敬服した。

 実は今冬、既に車を3回スタックさせ、その度に通りがかった方々に助けられた。ハンドルの切り方や効果的な雪かきの方法など、急場をしのぐ知恵も授かった。初めて体験した大雪をなんとか乗り切れたのは、厳しい冬を辛抱強く耐えてきた「じょっぱり」たちのぬくもりのおかげだろう。
(青森総局・関根梢)

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