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大正初期「秤量場」修復へ 岩手・雫石 小岩井農場でCF募る

修復工事が必要な秤量場(小岩井農場財団提供)

 小岩井農場財団(岩手県雫石町)は、小岩井農場の国重要文化財「秤量場(ひょうりょうじょう)」の改修工事に関わる費用をクラウドファンディング(CF)で募っている。

 秤量場は大正初期に建てられた施設で、牛の体重測定や爪切りなど健康状態を確認する場所として1970年代頃まで使われていた。現在は来場者に内部を公開している。

 経年劣化や東日本大震災による被害で破損した木材や土台の交換が必要だが、資材高騰で費用は当初予定の2000万円から大幅に膨らむ見込み。2027年度の着工を目指している。

 秤量場を含めた21施設が国重要文化財に指定されている。いずれも建築から100年以上経過したため、昨年8月から順次、修復工事を実施しているが、資金不足で継続は困難な状況だ。財団の長瀬裕美さんは「農業近代化の変遷を未来に伝えるため、CFを成功させて工事を継続したい」と話す。

 4月30日まで専用サイト「レディーフォー」で募る。目標金額は300万円。集まった資金は秤量場の耐震診断費用に充てる。

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