甘み蓄える雪室野菜 岩手・西和賀で4月20日発売

岩手県西和賀町の西和賀産業公社は20日、地元野菜を雪中で貯蔵した「にしわが雪室野菜」を町内物産店で発売する。豪雪地ならではの「天然冷蔵庫」で甘みを蓄えた付加価値の高い野菜を提供し、生産者の収入確保につなげる。
同町沢内の体育館「志賀来ドーム」を冷却する約50平方メートルの雪室に、雪を約50トン積み上げた。地元農家3人が昨秋収穫した白菜やニンジン、タマネギ計30ケースを2月から保存。室内は0度、湿度はほぼ100%に保たれ、甘くみずみずしく仕上がるという。
野菜は観光施設「湯夢(ゆめ)プラザ」と「道の駅錦秋湖」で販売する。道の駅では地鶏のひき肉と合わせたコロッケのほか、レストランのサラダバーで白菜サラダやニンジンしりしりを提供する。いずれもなくなり次第終了する。
公社は特産品のブランド化を手がける「ユキノチカラプロジェクト協議会」と連携して昨年、スーパーから仕入れた雪室野菜を試作。好評を得たため今年は町産品で商品化を実現した。
公社の広瀬稔事業部長(55)は「冬の農閑期は生産者の収入が落ち込み、観光客も少ない。厄介物とされる雪を魅力ある地域資源に変えたい」と意気込む。協議会の加藤紗栄ブランドマネージャー(47)は「ニンジンは柿のような甘さ。再生可能エネルギーを活用した雪室は自然にも優しい」とPRする。
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