布マスク配布に異論反論「家で作れる」「弱者救済を」「優先順違う」
新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、安倍晋三首相が表明した全世帯への布マスク2枚の配布について、河北新報社は3日、会員制交流サイト(SNS)の無料通信アプリ「LINE」を使い、読者らに意見を尋ねた。送料を含め200億円を超す税金の使い道には異論や反論が相次いだ。
「布マスクであれば家庭でも作れるし、世帯ごとに人数も異なる。置かれている実態と施政の乖離(かいり)が大きすぎる」
仙台市太白区の60代男性はこう疑問を投げ掛け、「まずは医療崩壊を防ぎ、地域の飲食店や非正規労働者など経済弱者の救済をしてほしい」と訴えた。
回答には、2枚という数と配布先について「病院や介護施設に回すべきだ」などと疑問の声も上がった。「6人家族にたった2枚のマスクなんて要らない。人工呼吸器の購入など医療関係を少しでも補助して」「マスク増産に充てて」「緊急事態宣言を先に出してほしい」など、優先順位が異なるとの声が多かった。
宮城野区のタクシー運転手の男性(39)は「お客さんが減って売り上げががた落ち。給料も減り生活に影響している」と一刻も早い手厚い支援を求めた。
「エープリルフールかと思った」「失望した」「愚策」という厳しい意見も多く、青葉区の男性会社員(61)は「ばらまき政策もここまで来ると喜劇。志村けん師匠がわが国のリーダーに向かい『大丈夫かぁ』と叫ぶ声が聞こえそうだ」と皮肉った。
一方、福島市の男性(71)のように「店に並んでも買えない状況のため、繰り返し使えるマスクは2枚でも大変ありがたい」と賛同する声もあった。
調査は「読者とともに 特別報道室」のLINEでお友だち登録している人に質問を送り、115件の回答があった。
「施策目的を明確に」
<国立病院機構仙台医療センター・西村秀一ウイルスセンター長の話>布マスクはウイルスを含む細かい微粒子などを防ぐ機能は弱いが、(着用した人からの)飛沫(ひまつ)の広がりを抑える効果はある。ただ必要な対策が山積しており、今打ち出す施策として正しいかは別問題。何の目的でやるのか明確に示してほしい。
みやぎ地域安全情報
宮城県警 みやぎセキュリティメールより
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