宮交バスの平日ダイヤ「改悪」? 利用者から不満の声相次ぐ
新型コロナウイルス感染拡大の影響で日祝ダイヤで運行されてきた宮城交通の路線バスが22日、平日ダイヤに戻った。待望の平日ダイヤだが、「以前の平日ダイヤより不便になる」との指摘が「読者とともに 特別報道室」に寄せられた。調べると「朝に1時間以上バスが来ない」「最終便が2時間以上繰り上がる」という路線があることが判明。利用者に聞くと、憤りの声が相次いだ。
仙台市太白区の女性会社員(44)は16日、午前7時台の新しい時刻表にがくぜんとした。最寄りのバス停「西の平1丁目・金剛沢小前」は28分発の1本だけ。次は8時40分まで待たなければならない。
従来の平日ダイヤは7時台に8分発、49分発と2本あり、8時台も21分発があった。「通勤・通学や通院にいい時刻だったのになぜ変えたのか。1時間以上の空白が生じるなんて」と理解できない様子だ。
泉区の加茂団地に住む20代の女性会社員も困惑する。最寄りから市地下鉄八乙女駅に向かう朝だけでなく、帰りのダイヤも大きく変わる。最終バスが八乙女駅を午後9時1分発と、1時間半も繰り上がる。
「日祝の最終便(午後10時3分発)の方が遅いという謎ダイヤ」とあきれ顔。遅くなった場合のタクシー利用も覚悟はするが、6カ月定期を購入しており「もったいない」と感じる。
平日ダイヤの最終便の繰り上げは多くの路線で採用される。八乙女、泉中央の各駅を起点とする主な路線の繰り上げは表の通り。富谷市が深夜バスとして実証運行していた午後11時32分発の成田経由大清水行きと、泉ケ丘経由富谷営業所行きの2便も休止となる。
利用者の不満を宮城交通はどう受け止めるのか。ダイヤ編成を担う計画課の担当者は「新型コロナによる減収が大きい」と経営状況を理由に挙げる。
同社によると、6月に入ってからの乗客は4月の6割弱。平日ダイヤに戻すに当たり、以前の平日ダイヤの82%の本数にした。担当者は「経営を考えると以前と同じ本数を走らせるのは難しい」と訴える。
ダイヤ設定では、朝の通勤・通学時間帯の便数をある程度確保。日中も一定数走らせるようにし、利用者が少ない夜遅い時間帯の減便を選択したという。
担当者は「最大公約数に近いダイヤを考えた。ご不便をお掛けする路線があることも承知している。大学の対面授業が始まるなどで利用者が増えれば、再度ダイヤを改正するので理解してほしい」と説明する。
(末永智弘)