東北の21年コメ生産目安5.8万トン減 減反廃止後で最大の減少幅

 東北の2021年産主食用米の生産量目安が出そろった。6県全体は184万1544トン。20年を5万8476トン(3・1%)下回り、18年の生産調整(減反)廃止以降、最大の減少幅となった。新型コロナウイルスの感染拡大でコメ需要が落ち込む中、各県は飼料用米や園芸作物などへの転換を急ぐ。

 各県の目安、20年産との比較は表の通り。農林水産省が示した国全体の適正生産量(693万トン)を基に、各産地が県産米シェアや在庫量などを踏まえて算出した。

 削減率が20年比4・4%と東北最大の福島。東京電力福島第1原発事故で避難指示が出た12市町村では、事故後初めて県内の他市町村と同様、生産量に一定の制限が設けられた。県水田畑作課は「営農再開の後押しとして希望通りの生産量を認めてきたが、過去最大規模の削減に協力を仰ぐ必要があった」と苦しい胸の内を明かす。県全体では、飼料用米の作付面積を20年比約3割増の7000ヘクタールまで引き上げ、需要に応じた生産体制の構築を推進する。

 宮城県は事前契約などの状況を踏まえ目安を設定したが、「収益性の高い園芸作物などへの作付け誘導も進めていく」(みやぎ米推進課)と気を引き締める。

 需給緩和を懸念する国は非主食用米や麦、大豆、野菜への転換に10アール当たり4万円を助成する事業費を20年度第3次補正予算案に計上した。

 青森県農産園芸課は「新型コロナで外食需要が冷え込み、厳しい状況だ。転作を進め、農家収入を安定させる必要がある」と強調。岩手県農産園芸課は「コロナ禍で需要が見通せず、現時点のデータを基に動くしかない」と先行きを不安視した。

 21年産の適正生産量を実現するには、全国で20年産(708~717万トン)より最大で約24万トンの削減が必要。目安を見る限り、北海道や東北などコメどころでは微減にとどまる。

 需給緩和の懸念が拭えない現状に、野上浩太郎農相は21日に談話を出し、「危機的な状況に陥りかねず、正念場を迎えている」と強い危機感を示した。

 山形は国の適正生産量に県産米シェアを乗じた上で、ブランド力向上による「つや姫」や「雪若丸」の需要増加分を加算。削減幅を6県で最も小さい2・2%に抑えた。

 県産米ブランド推進課は「コロナ禍でも家庭用で引きが堅調だった状況を踏まえて判断した」と強気の見通しを説明。「販売は農協グループが力を入れている。県としては品質向上に努め、適切な生産量を見極めていきたい」と話した。

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